完全子会社となる会社の株主が保有する全ての株式を、完全親会社となる会社の株式と交換する方法です。合併と同様に金銭や社債など株式以外の対価によって株式交換を実行する事が可能です。これにより完全親子会社関係が実現します。株式を対価に株式交換を実行した場合、親会社となる会社から見ると、会社の買収を現金の代わりに自社株を発行して行ったと考える事ができます。尚、旧商法では、株式会社にしか株式交換は認められていませんでしたが、会社法では完全子会社は従前と同様に株式会社に限られますが、完全親会社は株式会社に加え合同会社も認められることになりました。売り手企業(株式被交換会社、特定子会社)の既存株主がその保有株式を買い手企業(株式交換会社、特定親会社)に譲渡し、買い手企業はその対価として自社株式を割り当てる手法です。
交換会社(特定親会社)と被交換会社(特定子会社)が交換比率等の件につきトップマネジメントによる株式交換に関する基本合意書の締結 |
取締役会における株式交換契約書の承認及び株式交換契約書の締結 |
法定書類の事前備置手続 |
株主総会の特別決議による株式交換の承認 (簡易組織再編*1、略式組織再編*2に該当しない場合) |
株式交換の広告・通知 |
反対株主の株式買取請求権 |
新株予約権の買取請求権 |
債権者保護手続 |
効力発生日の変更 |
効力発生日・法定書類の事前備置手続 |
完全子会社となる会社の株主が保有する全ての株式を、新たに設立する完全親会社となる会社の株式と交換する方法です。株式移転は、旧商法では株式会社しかできないと規定されていましたが、この点は会社法にあっても同様です。
株式移転は2社以上の企業が共同して行うことも可能です。
その場合は、新設の親会社は、株式移転を行った企業の共同持株会社となります。株式移転を実行した会社は兄弟会社となります。これが、株式移転による経営統合です。
既に存在している会社を特定親会社とするのが株式交換で、新たに特定親会社を設立するのが株式移転です。
株式移転計画の作成 |
法定書類の事前備置手続 |
完全子会社は備置開始日から効力発生日後6ヵ月を経過する日までの間、株式移転計画その他会社法施行規則で定める事項を記載しまた記録した書面又は電磁的記録を本店に備え置いて開示しなくてはいけない。 |
株主総会の特別決議による株式移転の承認 |
株式移転の場合には、略式組織再編及び簡易組織再編の規定はありません。 |
株式移転の公告・通知 |
完全子会社は株主総会決議から2週間以内に、株式移転をする旨完全親会社の商号及び住所、さらに共同株式移転であれば、他の完全子会社の商号及び住所を、株主に通知するか公告する必要があります。また、新株予約権者にも新株予約権の買取請求権が認められたので、株式交換の場合と同様の要件を満たす新株予約権に対し公告または通知をしなくてはなりません。 |
反対株主の株式買取請求権 |
反対株主に付いては、合併や株式交換と同様に株式買取請求権が認められています。 |
新株予約権の買取請求権 |
株式交換と同様の要件を満たす新株予約権者は、新株予約権の買取請求を行うことができます |
債権者保護手続 |
株式交換の場合と同様に、会社法になって債権者保護手続が定められました。 |
法定書類の事後備置手続 |
完全子会社は完全親会社と共同して、株式移転により完全親会社が取得した完全子会社の株式の数その他組織再編に関する法務省令で定める株式移転に関する事項を記載又は記録した書面又は電磁的記録を作成し、完全親会社と完全子会社は、かかる書面又は、電磁的記録を、完全親会社の設立の日から6ヵ月間本店に備え置かなくてはなりません。 |
| 内容 | 税率 | |
|---|---|---|
| 被交換会社の株主(個人) | 株式交換は、税務上、所有株式の売却・対価の受け取り・新株式の取得という一連の取引とみなされ、原則として、株式交換により生じた利益は売却益として課税対象となる。 ただし、一定の要件を満たした場合には、売却益課税の対象とはされない。*1 |
0%~47% |
| 被交換会社の株主(個人) | 同上 | 0%~42% |
| 被交換会社(特定子会社) | 課税は生じない | - |
| 交換会社(特定親会社) | 課税は生じない | - |
*1 以下の税制適格要件を満たす株式交換については、売却益課税の対象とならない。